英検Can-doリストは、合格したらこれができるようになる、という約束ではありません。
公式のよくあるご質問に、そのままの言葉で書かれています。「『必ずできる』ということを保証するものではありません」という一文です。
では何なのかというと、目標の級に合格するのに求められる、各技能で英語を使って何ができなければならないかを示したものです。
この記事は、日本英語検定協会の英検Can-doリストのページと、級別のリスト、そしてよくあるご質問に書かれている説明だけを並べたものです。取得日は2026年9月17日です。
英検Can-doリストは何を示したものか
公式の定義文はこうです。
「英検Can-doリストは、目標の級に合格するのに求められる、各技能において英語で何ができなければならないかを示したものです」と書かれています。
作られた背景も説明されています。「CEFRや学習指導要領における英語力の考え方を踏まえ、『各級に合格するための技能別の目標となる英語力』を示すもの」だという書き方です。
そもそもCan-doリストという言葉が何を指すのかについても、よくあるご質問に説明があります。
「国内・国外には目的や形式の異なる様々な英語試験があり、それぞれ受験者には何らかの結果(級やスコア)が出されます。しかし、その結果を見ただけでは受験者が『実際に英語を使ってどのようなことができるのか』を知ることは大変難しいことです」という前置きから始まります。
そのうえで、一般的なCan-doリストとは「各試験の実施団体が受験者の試験結果と『実際にどのようなことができる可能性が高いか』ということを調査・分析してまとめたリスト」だと定義されています。
英検Can-doリストは8つの級ぶん用意されている
リストは級ごとに分かれていて、1級・準1級・2級・準2級プラス・準2級・3級・4級・5級の8つが並んでいます。
級のページを開くと、構造は共通しています。「全体」がまず1文あり、そのあとに「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能がそれぞれ1文ずつ続きます。
実例として、3級のリストをそのまま並べます。
| 区分 | 3級のCan-do表現 |
|---|---|
| 全体 | 日常的な話題について、基本的な語句が用いられた短い話や文章の概要や要点を捉えたり、自身の考えや感想を理由を含めて基本的な語句を用いて伝えることができる。 |
| 読む | 日常的な話題について、基本的な語句で書かれた短い文章の概要や要点を読んで捉えることができる。 |
| 聞く | 日常的な話題について、ゆっくりかつはっきりと話されれば、短い話の概要や要点を聞いて捉えることができる。 |
| 話す | 日常的な話題について、自身の考えや感想を基本的な語句を用いて、理由を含めて話して伝えることができる。 |
| 書く | 日常的な話題について、自身の考えや感想を基本的な語句を用いながら、理由を含めて文章を書いて伝えることができる。 |
5つの文に共通して「日常的な話題について」という書き出しが使われていて、技能ごとに動作の部分だけが入れ替わる形になっています。
英検Can-doリストにはタスク例が付いている
Can-do表現の下に「タスク例」という欄があり、こちらは1文ではなく複数の具体例が並びます。
3級の場合、「読む」には2つ、「聞く」には2つ、「話す」には3つ、「書く」には3つのタスク例が挙げられています。
たとえば「読む」のタスク例は次の2つです。
- 人物の伝記などに関する説明文を読み、どの情報がその説明の中で最も重要であるかを判断し内容を捉える。
- 電子メールの内容を読み、書き手が最も伝えたいことは何であるかを判断して内容を捉える。
「話す」のタスク例には、他教科で扱った話題(環境問題や人権問題など)について事実を説明する、というものが含まれています。
「書く」のタスク例には、英文を聞いたり読んだりして理解したことに基づいて、自分の意見や考え、感想や気持ちを、理由も明確にしながらまとまった内容として書く、というものがあります。
Can-do表現が抽象的なのに対して、タスク例のほうは学校の授業で実際に起きそうな場面まで下ろしてある、という違いがあります。
英検Can-doリストと各級の審査基準は別のもの
名前も中身も似ているので、混ざりやすいところです。
| 英検Can-doリスト | 各級の審査基準 | |
|---|---|---|
| 何を示すか | 目標の級に合格するのに求められる、各技能で英語を使って何ができなければならないか | 級ごとの「程度」と、審査領域「読む」「聞く」「話す」「書く」の1文ずつ |
| 文の長さ | Can-do表現+タスク例の2段構え | 1行ずつの短文 |
| 例(3級) | 「日常的な話題について、基本的な語句で書かれた短い文章の概要や要点を読んで捉えることができる。」(読む) | 「身近なことに関する文章を理解することができる。」(読む) |
審査基準のほうは各級の審査基準のページにまとまっていて、8つの級それぞれに「程度」の1文と4技能の1文が並びます。
Can-doリストのほうが説明が長く、具体的です。
英検Can-doリストの読み方で間違いやすい5つ
公式のよくあるご質問に、読み方を正す答えが並んでいます。要点だけ抜きます。
合格したらCan-do表現のことが必ずできるのか
できません。「『必ずできる』ということを保証するものではありません。『かなりの確率でできる』と考えることはできますが、『必ずできる』ということを保証するとまでは言い切れません」と書かれています。各級の合格者はその級のCan-do表現を「できる可能性が高い」という意味です。
その級のCan-do表現だけができるという意味なのか
違います。「2級の合格者の場合は2級とそれ以下の級のCan-do表現に対して『できる可能性が高い』という意味です。したがって、2級合格者は5級から2級までの4技能に示されたすべてのCan-do表現が含まれます」と書かれています。さらに、Can-do表現に挙げられているものが合格者のできることのすべてではない、とも書かれています。
Can-do表現に自信があれば合格できるのか
そうとは限りません。公式の答えは、Can-doリストは「試験に合格するための条件」をまとめたものではないので、合格が確約されるわけではない、というものです。
Can-do表現は「合格した人ができる可能性が高いこと」を書いたものであって、「これができれば受かる」というチェックリストではない、という整理です。
「短い」「簡単に」は何語くらいを指すのか
語数の指定はありません。「題材や内容などにより異なるので、すべてに共通する具体的な語数を決めることはしませんでした」と、決めなかった理由まで書かれています。
「日常的な」「身近な」は誰にとっての話か
多くの人に共通する基本的なことを指す、という答えです。「年齢や性別、職業や立場によって日常生活が異なり、何を身近なことと考えるかには差が出てくる可能性がありますが」と前置きしたうえで、個々の特別なケースではないと説明されています。
英検Can-doリストを指導に使うときの公式の想定
使い方についても質問と答えが載っています。
「英検Can-doリストは学習者が直面するすべての場面を網羅できているわけではありませんが、指導されている学習者のレベルに応じて『自己診断リスト』として利用することができます」と書かれています。
級の取得を目標にする場合は、目指す級に合格するのに求められることを具体的に知ることができるので、英検の出題内容とあわせて参考資料の1つとして活用できる、という説明が続きます。
ただし、ここにも歯止めが付いています。「項目に記載されている内容ができるからといって必ずしもその級に合格するとは言えませんが、目安にすることはできます」という一文です。
実際の出題内容のほうは、級ごとの試験内容のページに問題数と形式が載っています。たとえば英検2級の面接は音読1つと質問4つで終わるのような形です。
英検Can-doリストと留学資格・英検Jr.の関係
よくあるご質問には、Can-doリストそのものから少し離れた質問も2件載っています。
1つは留学の話です。「英検の2級で留学の資格が得られると聞きましたが、2級のCan-do表現に書かれている程度で卒業できるのでしょうか」という質問に対して、「『受け入れられる資格』と『卒業』は別です」と答えています。
資格は「留学生活を送る上での最低条件」と考えられ、留学での厳しい学習に耐えていく上での「素地」として2級が1つの目安として認められている、という説明です。大学によっては準1級、1級を要求している、とも書かれています。
もう1つは英検Jr.との関係です。英検Jr.の受験者の中には4級や5級の「聞く」分野のCan-do表現に自信を持っている人もいるのではないか、という質問です。
答えは、4級・5級の合格者は「聞く」以外の分野(特に文字の理解を必要とする分野)も含めて合格が認定されているので、全体として見ると英検Jr.の受験者とは異なる段階の学習者と考えられる、というものです。
英検Can-doリストについて公式ページに書かれていないこと
この記事で書けなかったことを並べます。
「できる可能性が高い」の確率です。かなりの確率でできる、という言い方はありますが、何%という数字はありません。
Can-do表現を作るときに使った調査の規模です。「調査・分析してまとめたリスト」という説明はありますが、何人を対象にいつ調べたのかは書かれていません。
Can-doリストとCEFRのレベル対応表です。CEFRの考え方を踏まえたとは書かれていますが、級ごとのCan-do表現がCEFRのどのレベルに当たるかを並べた表は、このページにはありません。
更新の時期です。いつ改訂されたのか、次にいつ見直すのかという記載は見つかりませんでした。
タスク例の数が級ごとに何個と決まっているかです。3級では読む2・聞く2・話す3・書く3でしたが、全級で同じ個数だとは書かれていません。
英検Can-doリストの内容を取った公式ページ
この記事の内容は、次の4ページから取りました。
- 英検Can-doリスト(定義・作られた背景・8つの級の入口)
- 英検Can-doリスト(1級〜5級)(級別ページの一覧)
- 英検Can-doリスト(3級)(全体と4技能のCan-do表現・タスク例の実例)
- 英検Can-doリストのよくあるご質問(読み方の10件のQ&A)
取得日は2026年9月17日です。表現は改訂されることがあるので、最新の文言は公式ページで確認してください。

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